こんばんは! Machinakaです!!!
寒いぜ!!!!!!
私の住んでる地域も月曜日は雪まみれになってね、未だに雪が残ってるんですよね。。こんな気温に外で遊ぶとかね、ありえないのでね、是非とも皆さん映画館に行ってくださいよ!
映画館なら暖房も効いてるし冷たいビール飲んでもへっちゃらですよ!
それに、毎年恒例ながら、骨太なドラマ映画が公開されるようになってきた1月後半ですよ!!
外は寒いけど、映画館の中じゃアッツアツの面白い映画がドンドン公開されていくのです(*⌒∇⌒*)
それでは、「デトロイト」批評いってみよ〜〜〜!!!!
[あらすじ・見どころ]
・「ハート・ロッカー」「ゼロ・ダーク・サーティ」のキャスリン・ビグロー監督が、黒人たちの不満が爆発して起こった1967年のデトロイト暴動と、その暴動の最中に殺人にまで発展した白人警官による黒人たちへの不当な尋問の様子をリアリティを追求して描いた社会派実録ドラマ。
・67年、夏のミシガン州デトロイト。権力や社会に対する黒人たちの不満が噴出し、暴動が発生。3日目の夜、若い黒人客たちでにぎわうアルジェ・モーテルの一室から銃声が響く。
・デトロイト市警やミシガン州警察、ミシガン陸軍州兵、地元の警備隊たちが、ピストルの捜索、押収のためモーテルに押しかけ、数人の白人警官が捜査手順を無視し、宿泊客たちを脅迫。誰彼構わずに自白を強要する不当な強制尋問を展開していく。
・出演は「スター・ウォーズ 最後のジェダイ」のジョン・ボヤーガ、「レヴェナント 蘇えりし者」のウィル・ポールター、「トランスフォーマー ロストエイジ」のジャック・レイナー、「シビル・ウォー キャプテン・アメリカ」のアンソニー・マッキーら。脚本は「ハート・ロッカー」「ゼロ・ダーク・サーティ」も手がけたマーク・ボール。
はい、来てしまいましたキャスリン・ビグロー最新作ッ!!
大型作品がこれから控える中、堂々たる骨太社会派映画がやってきた!!
キャスリン・ビグローと聞いて、映画ファンなら喜んで映画を見に行くと思いますけどね!もう説明不要なくらい有名な人ですけども
「ハート・ロッカー」と聞いて知らない人はいないのでは?
映画の内容、評価、知名度共に抜群な映画なので知ってる方も多いはずです。
また、あの「ゼロ・ダーク・サーティ」や「K−19」など、戦争映画を得意としている監督ですが、今回のデトロイトは黒人の人種差別モノ、、、
あれれ?と感じるかもしれませんが、このデトロイトが描いている黒人の暴動とそれを鎮圧しようとする白人の戦いは、死傷者多数でもはや戦争といっても良いレベルで、、、
監督が得意とするジャンルだと思います。
また、監督ではないですけども、製作総指揮で「カルテル・ランド」を手がけていて、、、
史実に残るような実際の戦争ではないにしても、メキシコの麻薬カルテルと警官との麻薬戦争が行なわれている事実を映画化にした、という点では、今作の「デトロイト」と非常に近いものを感じます。
なんか、適当に挿入したカルテル・ランドの予告なんですけど、「目には目を。歯に歯を。」という字幕が、今作のデトロイトの暴動を描いてるような気がして、偶然とは思えない共通点がまた興味深いですね、、、
さて、今回もカルテル・ランドと同じく、まるで戦争のような地獄絵図が待っているのか?
実際に起こった事件で黒人差別モノということもあって、素直にはエンタメ感を感じられないけども、やっぱり映画は楽しくなきゃ!非常に期待しております。
最後に、キャスリン・ビグロー監督の顔写真を写して映画の感想に入りたいと思うのですが、、、
みなさん、これまでの私の監督紹介で監督にどのようなイメージが浮かびましたかね? ゴリゴリの男? 黒人監督?
それでは監督の顔写真はコチラ!!
ホワッ!? ホワホワっ!?
それでは映画の感想にいってみよ〜〜!!!!
[映画の感想]
いやぁ、、、、やられました。
ずっしり来ました。。。 予告編や前評判からですね、非常に骨太な社会派作品という予想はしてましたけども
まさか、ここまで刺さる作品だったとは思わなかった。
あ、そういやまだ言ってませんでしたね。メッチャクチャ面白かったんですよ!!! でも、刺さります。怖いです。。。ズシーンときます。。。 見るときは覚悟してください。
上映が終わった後ですね、観客がやたらと談笑しながら帰っていくのは非常に印象的だったんですよ。サスペンス・ホラーでしかも密室モノで人種差別モノ。重い要素が何重にも重なっている苦しい〜〜〜〜〜〜〜〜映画であるため、重圧から解放されるかのようにニカニカ笑っていたのです。
これ、普通の人種差別モノの映画だったら絶対にない光景だよなぁと思いつつ。やはり、キャスリン・ビグローの作品ってエンタメなんだよなぁと実感するばかりでした。
この映画はですね、実際に起こったデトロイトの暴動事件をリアルに再現したドラマ映画ではあると思うんですけども、、、
どう考えてもホラーだよ!!メッチャクチャ怖いよ!!
白人警官の黒人に対する拷問シーンはですね、もはやホラーです。何度も何度も執拗に、体も心も蝕んでいく、、、
白人警官としては、殺そうと思えば簡単に殺せる状況にはあるのですが、キング牧師が既に活躍していた時代、黒人の人権が社会的に重要視され、黒人を殺した警官は冷遇される時代なのです。だから、簡単には殺せない。
だから、殺すフリをして銃を持っているかどうか聞き出そうとしたり、言葉巧みに黒人を操ろうとする狡猾な手口が、見ていて良い意味で嫌悪感が湧いて仕方がありませんでした。絶対に会いたくない警官ナンバーワンですね、こいつら。
しかも、この拷問シーンは実際に被害にあった女性の証言に基づいているもので、セリフもやってることも事実であったという恐怖。。。
人を殺すにも複雑な手続きを取っている白人警官に、恐怖と憎悪を感じざるを得ませんでした。。。
ただですね、言っておきたいのは、今作の最低最悪な白人警官を演じたウィル・ポールター、ウィル・ポールターに拍手を贈りたい。
映画はですね、実際のところこのウィル・ポールター演じる白人警官を中心として物語は進んでいくわけですよ。つまり、こいつが全ての元凶になっていく。アカデミー賞では黒人の人権活動や、トランプ大統領のあおりを受けて、黒人差別をする役を演じるのは、とてもやりづらい仕事ですよ。
俳優の仕事とは言えど、このご時世にあえて嫌われ役を演じるっていうね、本当にお疲れ様でした!
この映画を見ている間は、彼が演じる白人警官に対する憎悪がどうしても湧いてきてしまって、ここまで心を動かされる俳優も珍しいですね。
[乾いた音に右に出るもの無し!]
はい、そして今作の恐怖表現を増大させた最も大きな要因は「音」ですね。前作の「ハートロッカー」でも、確かアカデミー録音賞を取っていたと思うのですけども、、、
拷問される黒人の息遣いの表現に驚きました。大声で叫ぶと殺されるため、「次は自分が殺されるかもしれない」という緊迫感をセリフではなく、息遣いの粗さや大きさで伝えているのが素晴らしいと感じました。映画館のサラウンド音響システムを十二分に発揮し、息遣いに遠近差を感じさせ、臨場感を高めてました。何より録音で素晴らしいのは「乾いた音」ですね。
キャスリン・ビグロー映画の音で特徴的なのは「乾いた音」ですよ!! 乾いた声、乾いた砂、乾いた銃声、、、、普通の映画では考えられないような繊細な音の表現をこだわるのが監督の特徴だと思っています。
監督は絶対に変態に決まっていますねw
息遣い・ため息の表現がですね、、、、拷問シーンより怖い、壊すです、、、
また、音といえば、「ドアを閉める音」が異常に凝っていてですね、、、
普段だったら省略するはずの「バタンっ!!」とか「ガチャっ!!」とかのドアの音を、あえて大きく音量を上げて、いちいち強調してくるんですよね。
で、これが何の意味かって話ですけど、、、
扉を開ける/閉めるというのは、映画のシーンを切り替えるメタファーになっていると思うんですよね。最近公開された映画だと「君の名は。」でもよく使われていたテクニックですけども、、、
ドアを開ける/閉めるという開閉運動は、映画の撮影で使われるカチンコと同じ動きをしますよね?
今作のデトロイトは、廊下での拷問シーンから小部屋での個別尋問のシーンが頻繁に切り替わる作りとなっており、廊下と小部屋で警察官の態度もコロッと変わる→シーンの空気もガラッと変わるので、あえてシーンとシーンの切り替えをドアの音で行っていたのではないでしょうか??
そう考えないと、あんなに大きなドアの開閉音ってやらないですよね?
[監督が撮りたかったモノは戦争でも差別でもない]
この作品を通して分かったことは、監督が撮りたいモノって、決して戦争やアクションでも、差別モノでもないと思うんですよね。
戦争アクションや差別モノが入るのは、映画をより多くの人に見てもらうための要素であり、映画にとって必要不可欠な魅力だと思うんですよね。悪い言い方をすれば、客寄せパンダにもなっちゃうんだけど、、、ま、映画ってそんなもんじゃん?
実は監督はですね、映画を撮る前は画家をしていたということで、一貫した作家性があると思うのですよ。真偽は分かりませんが、仮に一つの作家性があるとしましょう。
だとすれば、監督が映画を通して伝えたいことは何なのか?
それは、「一線を通り越し、逃げ道がなくなった人間の狂気(クレイジー)」
だと思ってます。
「ハートロッカー」では、命知らずのクレイジーな爆弾処理班を主人公に描いたし、「カルテル・ランド」では一般市民を超えてもはやマフィアと同じになってしまった、武装自警団をメインに描いていたし、、、
キャスリン・ビグローの主人公に狂気は欠かせない気がするんですよね。で、一線を通り越して周りが見えず、気付いたら後戻り出来ない状況になっている。逃げ道がなくなった時、クレイジーな人間は何をしでかすのか?といったことに興味があるんじゃないかなぁと思います。
今回のデトロイトはですね、一見して白人警官が一方的に悪者という感じに見えるのですが、、元々の拷問を招いた人って、、、黒人が競技用のピストルを打ちまくったからだよ?
本物の銃ではないけど、仕掛けてきたのは白人じゃなく黒人なんですよね。だからですね、前半までは黒人=正義だとはとても思えない描写が多すぎるんですよ。だから、競技用ピストルを撃った黒人は、戦場での超えてはいけない一線を超えてしまった。
そして、問題の白人警官はですね、黒人を人とも思ってないドグサレ糞野郎なんですけど、おそらくコイツは何度も黒人を殺してしまってるんですね。客観的に裁判で裁かれるならば、死刑×10回くらいでも足りないくらい、警官として人間として、超えてはいけない一線を超えてしまった。
そして、兵士もいる公の場で黒人を殺してしまい、もう後戻り出来なくなった白人警官は、あるかどうか分からない銃の所在を黒人に拷問して、自分を正当化しようとするんですよね。
あいつの行動はもう常軌を逸しています。
クレイジーな白人警官=白クレな訳ですよ。ってタイトルの伏線をさらっと回収しておきますね。
そんな狂った白人警官の凶行を、極めて客観的な目線で見据えるジョン・ボイエガの名演が非常に光ったと思います。
白人警官もですね、銃があるに違いないと思って踏み込んだ以上はですね、もう決めつけるしかないんですよね。今更「やっぱり銃ないかも」って帰るわけにはいかない。後戻りはできないんですよ。。。
[白人は暴力、黒人は歌で戦う]
ジャズ、ブルース、ファンク、ヒップホップ、R&B、、、数えるとキリがありませんが、黒人が作った音楽は常に差別との戦いの中で生まれたモノだと思っています。
今作で特徴的だったのは、白人は黒人に対して絶対的に暴力を振るう。そして拷問被害者の黒人は、絶対に暴力を振るわない、振るえないのです。その代わり、歌で勝負する。
実話ということもあり、偶然かもしれませんが、拷問された黒人は売れる前のザ・ドラマティックスのメンバーが中心ということで、非常に歌が多く使われるんですよね。エンドロールの最後に流れるセットリストのシーンでは、なんと3列に渡ってセトリがズラーーーーと、、、 なかなか見ない光景ですw
その中でも、最後の最後に流れるこの歌、Algee Smithで「Grow」という歌なんですけども
[Verse 1]
I'm coming from a place of delusions and being blinded
I been around it
I hear it now
It's coming loud, the sound of sirens
Of all of the places, how is this where I end up?
Oh, hated for what I am and loved for what I'm not
[Chorus]
Truth is that all men are equal
But I know
Equal for my kind of people ain't what they show
I'm crying oh, oh
Oh, oh
Oh, oh
I wonder when we will grow
https://genius.com/Various-artists-grow-lyrics
人類皆平等って言うけど、そんなの見たことない。俺たちは成長しなくちゃいけない。。。
暴動を起こした黒人で始まりましたが、最後はAlgeeの優しい音楽で終わり。しかも実在するラリーとデュエットを組んでいる素晴らしさ。。。
ちなみに、ラリーさんはドラマティックスでの活動を諦め、聖歌隊に入り、今もデトロイトに住んでいるという、、、、
そして、見るからに警官恐怖症になってしまったこの現実。暴力は引き継げないけど、歌なら今後も引き継げるんですよ。
暴力ばかり振るう白人の狂気(クレイジー)に、聖歌隊の純情歌で対抗するカッコよさ!!
最後は暖かく良い歌に包まれて映画館を後にしてくださいね!!
大変オススメでございます!!!!
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