今回はですね、特別にカナダ大使館で鑑賞してまいりましたっ!!!
試写会が当たったのです( ^ω^ )
安心しました!ちゃんと面白かったです!!!
というか、本当に面白かったです!!!!
ということで、「きみへの距離、1万キロ」批評、いってみよーーーーーー!!!!
[あらすじ]
・「魔女と呼ばれた少女」で第85回アカデミー外国語映画賞にノミネートされたカナダの新鋭キム・グエン監督が、地球の反対側で暮らす男女が監視ロボットを通じて出会う運命の恋を描いたラブストーリー。・北アフリカの砂漠地帯にある石油パイプラインで石油泥棒を監視する6本足の小さなクモ型ロボットを1万キロ離れたアメリカ・デトロイトから遠隔操作しているオペレーターのゴードン。恋人と別れたばかりのゴードンは監視ロボットを通して若くて美しいアユーシャと出会う。・アユーシャはカリムという恋人がいながら、親からは別の相手との結婚を強要されていた。それを知ったゴードンは、アユーシャの運命を変える大胆なアクションを起こす。
監督はキム・グエンさん
カナダ大使館ということで分かると思いますが、カナダ人の監督です。
正直この映画を見るまで存じ上げませんでした。もうしわけなし、、、、
2013年の「魔女と呼ばれた少女」ではアカデミー外国語映画賞にノミネート。日本でも公開されたみたいです。
うーん、その頃はまだ映画にハマってなかったのです。行きたかった、、、
そして今作でもアカデミー賞外国語映画賞のカナダ代表にもなり、ベネツィア映画祭ではフィデオラ賞を受賞したとのこと!!!
カナダなのに外国語映画? と思うかもしれませんが、今作は英語に加えてアラビア語が非常に多くてですね、外国語映画とみなされたのかもしれません。
お話ですけど、まるで「WALL-E」を彷彿とさせる低身長スペックのロボと少女との恋物語なんですよ!!!!
ロボと少女がときめく物語なのです!!!!!
これだけ言ってもわかりませんから、もっと深く説明するとですね、、、
アメリカのデトロイトで石油工場の警備をしている男性が、工場に近づく少女に片思いしてしまう物語なんですよ。
でね、石油工場ってデトロイトにあるわけじゃなくて、なんと北アフリカにあるんですよwww
少女ももちろん北アフリカで暮らしてる人なんですけども。
デトロイトと北アフリカ、こんなに離れてるのに何で警備ができるのか、何で北アフリカにいる少女を知りえたのか?
彼は警備と言っても、北アフリカにいる監視ロボットをデトロイトで遠隔操作してるんですねww だからタイトルに「1万キロ」がついてるんですよね。これでやっと繋がりましたね≧(´▽`)≦
男の方が、監視ロボから送られてくる動画をずっと見ていて、その時たまたま写った少女に恋しちゃってるんですよ!!!
ちなみに、このロボにはマイクが付いていて、警備員の男が喋ったことをロボに送信して喋ってくれる機能がついてるわけです。
だから、北アフリカの少女にはロボットが喋っているようにしか見えないわけですねw
ロボットがいきなり「君の事見てるよ」なんて言われたらキモいでしょwwww キモいっすわwwww
しかも、気に入った画像をキャプチャして、いちいちプリントアウトして家に保管してるんですよwwwwwww
正直「キモい」という言葉がピッタリくる男が主人公w そんなんで大丈夫なのか、少女との恋は成就するのか?
ネタバレはなしで、、、、
それでは映画の感想でっす!!!
[映画の感想]
まさしくロボット版「君の名は。」!!!
カナダ、最高ッッッっっ!!!!!
[思った以上にロマンスです(笑)]
最初はどうしようかと思いましたよ。主人公の警備員。ずっと顔が死んでるんですよw
何事にも無表情でやる気がなさそうなのに、恋愛には興味津々。今回のヒロインとなる北アフリカの少女だけじゃなくて、SNSで適当な女を見つけてズッキュンバキューン、もといズッコン・バッコンな恋愛もしちゃうんですけども、愛し合ってる時でさえ目は虚ろでどこか遠くを見ているような感覚で。
こんな奴が主人公でいいのか? 大丈夫なのか?と思うんですけども、よく見るとイケメンで憎めないやつなんですよねぇ、、、
どことなくライアン・ゴズリングに似てない!?似てるよね!!
http://eiga.k-img.com/images/movie/87034/photo/84055941ba1ca5c3.jpg?1517792528
これが意外や意外。しっかり腰を据えた、純愛なロマンス映画に仕上がってるんですよ!!!
この映画の最大の勝利というのは、言わずもがなロボットにあるわけなんですけど、そのロボが特に可愛いデザインでもなく、カッコ良いガジェットが付いてるわけでもないんですけど、映画を見終わった後になぜか愛着が湧いてしまって、上映後に写真を撮っちゃうんですよね。
写真を撮ってみたのは良いけれど、自転車と比較するとかなりごついし、よくよく見てみるとやっぱり可愛くないwww
でもこのロボが可愛く見えるんですから映画の力ってすごいですよね!!
いかにも機械的なルックスで無機質な印象があるロボット。実はこのロボのイメージと、遠隔操作している無愛想な男との心象が絶妙にマッチしているんですよね。あと、かつては自動車産業で栄えた工業都市デトロイトを舞台に、最先端のハイテク監視ロボを使っているという街と産業のアンバランス感を上手く表現していたとも思います。
また、北アフリカということで砂漠のロケ地が非常に多いんですけども、この砂漠と無機質なロボとの相性がまた抜群なんですよね。
まるで「オデッセイ」に出てきそうな、火星探査機のようなロボに思えてくるんですよね。
そんな火星探査機ロボが「ちょっと待ってよお姉さん〜」みたいなセリフを吐くから、その画自体がシュールで、映画の笑いに向いてるわけですなwww
さぁ、そんな無機質なロボットもとい無機質な男に近寄られるかわいそうな少女なわけですけど、彼女は彼女で特別な事情を抱えていて。
北アフリカってイスラム教が盛んなんですけど、彼女の住んでる地域は特に厳格なイスラム教で。。頭にスカーフを巻かなきゃいけないし、なんたって結婚相手が自分で決められないわけです!!!
彼女には付き合っている彼氏がいるんですけど、両親が勝手に決めたハゲオヤジと結婚させられそうになってるんですよね。。。。
なので、この映画を見ていてすぐに思い出したのが、イスラム教の中でもがく女性の奮闘を描いた「裸足の季節」なわけで。
しかし、アメリカのデトロイトに住む男にとってはイスラム教の縛りなど理解できないわけで、片思いの男は彼女をどうにかして救おうとするわけです。
男は少女を救うために必死になってるわけですけど、散々言った通り実際に発言・行動するのは火星探査機みたいなロボットなわけです。
そりゃヘンテコですよ笑
でも、そんなヘンテコが映画にとって笑いになるわけで、珍しく感じるわけで、映画でしか味わえない映像が見れるわけです。
特にですね、今回のロボットは身長30cmくらいしかありませんので、地面から見たような低い視点からのカメラアングルが異物感をより強調してるのも良くって。
また、ロングショットの時にロボットがより小さく見えて孤独感を演出してるし、ロングショットの状態でロボットが「ちょっと待て!」なんてセリフを吐くと滑稽に思えて笑ってしまうというねw
何度も言ってますけど、ロボと人間との対比でたくさん笑わせてくる、ロマンスコメディなわけですね!
笑いはロボット絡みだけじゃなくて、少女が働いてる銀行にて、暗証番号を電話で確認するのですが、「暗証番号はrambooです」って突然ランボーというワードを不意に入れてくるのもツボで仕方なくてwwww
この映画全般に言えるのですが、出来るだけ感情は抑えてオフビートな笑いをガンガン放り込んでくるのが本当に良かったと思います。
[ロボットを通した「色めがね」]
この映画には明確なカラーコントロールがなされていて、色で映画を見るMachinakaにとっては、たまらない色演出があったわけです。
オープニングからいきなり、青と黄色のツートーンカラーで海のような森のような、異様な光景がずっと流れていてるんですよね。これ、説明しづらいなぁ、、、笑
最初はわからないんですけど、これはロボットのサーモグラフィーカメラで写した北アフリカの砂漠を写したものになってるんですよね。
っていきなりサーモグラフィー映されても意味わからんわw
http://www.avio.co.jp/jp/products/ir-thermo/lineup/tvs200iss_tvs500iss/images/index-img-06.jpg
でも不思議なのは、サーモグラフィーなのに赤色と緑色がないんですね。青と黄色だけなんです。
なんでかなぁと思ってたんですけど、よくよく見てみると、デトロイトの風景と主人公の服が「青色」、北アフリカの風景と服が「黄色」になってるんですよ。
だから、オープニングの青黄のサーモグらふはデトロイトと北アフリカの対比になってるわけですね。
北アフリカは黄色ってのは、砂漠があるから黄色が多くなるのは理解できるんですよ。ってかコントロールしなくても黄色がどうしても写ってしまうw
でも、デトロイトを青にしたのは未だに理由が良くわからなくて、、黄色の差し色になるからですからね、ちょっと良くわかりません。
それにしても、デトロイトで働く主人公の服が青だったり、机が青だったり、全てが青で統一されていたり、たまに青緑色が一面にあふれたりして、気を使ってるとしか思えないカラーコーディネートがあって、非常に楽しめました! 色の統一って本当にいいものですよね。。。
また、片思いの男がサーモグラフィ越しに見る彼女のシークエンスは、まるで男が彼女に「色めがね」を掛けているメタファーにも見えて。非常に巧みな演出だったと思います!
とにかく見てください! オススメです!!!