
それでは「焼肉ドラゴン」批評いってみよー!!!!
[あらすじ]
・「血と骨」など映画の脚本家としても活躍する劇作家・演出家の鄭義信が長編映画初メガホンをとり、自身の人気戯曲「焼肉ドラゴン」を映画化。高度経済成長と大阪万博に沸く1970年代。関西のとある地方都市で小さな焼肉店「焼肉ドラゴン」を営む夫婦・龍吉と英順は、静花、梨花、美花の3姉妹と長男・時生の6人暮らし。龍吉は戦争で故郷と左腕を奪われながらも常に明るく前向きに生きており、店内は静花の幼なじみの哲男ら常連客たちでいつも賑わっていた。強い絆で結ばれた彼らだったが、やがて時代の波が押し寄せ……。店主夫婦を「隻眼の虎」のキム・サンホと「母なる証明」のイ・ジョンウン、3姉妹を真木よう子、井上真央、桜庭ななみ、長女の幼なじみ・哲男を大泉洋がそれぞれ演じる。
[スタッフとキャスト]
監督は鄭義信さん。在日3世の方です。
北野武さん主演で「血と骨」を撮ったこともある人です。こちらの作品も、在日朝鮮の方を取り挙げた作品になっております。
キャストを簡単に紹介
・大泉洋さん
もう食傷気味なので簡単に紹介しますw
日本映画・ドラマ・テレビ・・・ 日本のエンタメ界に欠かせない人ですよね。どう考えても薄情な役なのに、どこか許してしまう愛嬌の力、ボケ・ツッコミの力。一度見たら中毒になってしまいそうな、、、ってか今俺が中毒になってるんだけど笑、一度ハマったら目が離せない人ですね。
・井上真央さん
映画では久しぶりに見ました。良くも悪くも、「キッズウォー」と「花より男子」の印象が強すぎて、勝気で強い女性のイメージがあります。あとみずほ銀行の広告塔をずっと継続してるって凄いなぁと思うww
・桜庭ななみさん
映画では「進撃の巨人」かな。あんまり思い出したくもないものを思い出してしまったけどもww
何より三菱血所を見に行こう!!ってCMで覚えてるよね。結構好きなタイプなんだよなぁ、、、
・キム・サンホ
今回は韓国人俳優と日本俳優が混合して製作してるんですけども、この俳優さん見たことないですか?
なんか、清々しいよね!!!
日本でいうと温水洋一さん?髪型だけで判断してるかもしれないんだけどもwww
韓国映画好きなら、必ず見たことある人です。強烈なインパクトを残します。
私は「ビューティー・インサイド」で主人公がキム・サンホに変わってしまって、嘆き苦しんでるシーンで爆笑した記憶があります。
さて、あらすじは以上です!!
それでは映画の感想でっす!!
[映画の感想]
最初からツッコミどころ満載!! 途中で投げ出そうかと思ったけど、ぐいぐい引き寄せられ、ところどころ爆笑して最後に泣いてしまう。。。
日本ではタブー扱い、取り上げにくい在日朝鮮の方の「賑やかな暮らし」を描いた意欲作であり個性的な作品!!
この日本の片隅に、朝鮮の方もいるんだよ!楽しく賑やかに生きてるんだよ!それを俺たちは邪魔しちゃダメなんだよ!!
ネトウヨの方にぜひ見て欲しい! そして、これを見ても韓国嫌いになれます?って問い詰めたくなる!!!
映画を見て価値観を変えろ!!!
[大嫌いな作風だけど、最後は大好きになった]
はい、鑑賞を終えたMachinakaでございます。
正直、作風はあまり好きじゃありません。
最初からナレーションばかりで攻めて、言葉だけでストーリーを語ろうとする演出は大嫌いだし
俳優のどアップばかり撮って、せっかく選択肢が無限にある映画の表現を狭めている印象があるし、ていうか2時間ずっと俳優どアップばっかりりじゃ飽きるっつーの。。。
何度も何度も喧嘩ばかりで泣き叫ぶシーンで少し飽きて、離れたりくっついたりを繰り返すのも飽きて、とても2時間の映画として工夫がなかったようにも見えるし
明らかに予算の関係だと思うけど、基本的に焼き肉ドラゴンの店の中とその周辺だけでしか撮られてない。在日朝鮮人の家でその他の家との比較による貧富の差の表現もないし、描かれている空間は明らかに狭くて苦しい。
予算の話と関連するけど、カメラをほとんど動かさないで固定して、同じカットをずーーーーーーーと撮っている。カメラが動かない&俳優のどアップばかりなので映像的多様性が全くない。映像主義の私にとっては苦痛以外の何物でもない。
まとめると、この映画は映画の演出をしていない!映画に見えて映画ではない!!!
ここまで言うと面白くないって評価を下してしまいそうだけど、そうじゃないんです。
俳優のどアップばっかりだけど、俳優のあまりもの熱演に、自分の映画の評価基準が覆されたんですよ。
主要キャストを始め、どう考えても過剰に思えるオーバーアクトな感情表現。最初は「おいおい、万引き家族を見習ってくれよ」って怒ってたんですけども、あまりもの熱量に私の冷めそうな心をずっと温めてくれて、ドラゴン家族に見入ってしまったのが本音です。
過剰な演技ってのが何故かというと、韓国映画を見ればわかるんですけども、韓国の方って感情表現が激しいんですよね。だから、今作のキャストは韓国人の方の振る舞いを真似るために過剰な演技をしてると思うのです。というか、監督が韓国と非常にゆかりがあるのでそういう演出になってしまうんですけども笑
葬式だと泣き叫んで倒れるし、怒る時はブチ切れるように思えてしまうし、日本人と比べると非常に感情表現が激しい。
何も知らない日本人が見ると、「え?マジ?」って引いてしまうかもしれないけど、これは国民性であって、立派な個性。
この映画を見て少し「え?」って思った人は、韓国映画を見てください。慣れますから笑
よくよく調べてみると、この映画はもともと舞台が先に上映されてたみたいです。もちろん舞台の演出も今作の監督。こちらの舞台は角界で賞を総ナメし、大変有名な舞台であるということ。
監督としては、舞台で成功してきた自信もあるでしょう。スタッフも舞台で一緒にやってきた人も連れてきたのかもしれない。
だから、映画でも舞台の演出をしてしまった可能性が高い。だから、焼き肉ドラゴンの店が中心となって撮影されたのかもしれない。舞台だと基本的に場所は固定されますからね。
そういうバックボーンがあると、異様に狭い空間の中で進む演出にも理解ができます。いや、映画である以上はもっと色んな空間を切り取って欲しかったんですけど、文句はあるんですけど笑
でも、ところどころで大泉洋のボケとツッコミが入って笑わせてくれるのが良かった。あれがなければ、即刻駄作入りだったと思います。
大泉さんがかつて好きだった女性に彼氏ができて、よりにもよってイチャイチャしてる現場に遭遇した大泉洋さん。
どうしても未練を捨てきれない大泉洋さんは、恋のライバルに「返杯」システムによるお酒対決が勃発ww
飲んで飲んで飲みまくって、「返杯です!」をずーと繰り返して笑いを取らせる手法は見事でしたねww 普通の監督ならカットしてしまいそうなところを、舞台の演出だからカットしない。繰り返し繰り返しクドいくらい返杯を繰り返しながら徐々に酔っていくおじさん二人がたまらなく面白いwwwww
それに加えて、日本語が苦手な恋のライバルが放つ迷言日本語に的確なツッコミを返す大泉洋さんwwww
大泉洋さんが主演してる映画は必ず大泉洋さんを褒めてるなぁ、俺。。でも本当に大泉さんのおかげで映画が救われた気がします。これがシリアスな演技しかできない俳優だったら、正直今作は地獄でしたね、、、
そして、ラストにキム・サンホさんによる長セリフに泣かされてしまいましたねぇ。
舞台演出なので、結局名シーンもセリフになってしまうんですけども、これまで全く語らなかったキム・サンホさん演じるドラゴン家族の生い立ちが全て明らかになるんですよ。
言ってることは、脚本としては特段名言を言ってるわけじゃないんですけど、韓国出身であるキム・サンホさんの拙い日本語が本当に涙腺を刺激するんです。
日本よりお父さんの役割が大きい、「家長」を務めているお父さんのキム・サンホさんは、家族を守るために必死にずっと働いてきたんですよ。
「働いたぁ、働いたぁ、」っていうセリフを何度も何度も言うんですけど、言うたびに泣けてきて泣けてきて、、、、
最後はずっと泣いてしまいました。。。
これ韓国語だったらあまり感動してないと思うんですよね。日本語を普段話さないキム・サンホさんが日本語を言うからこそ、在日の方の日本語のリアルさが伝わるし、苦労してきたんだなぁという印象も受ける。日本人俳優と韓国人俳優のミックス。台本読み合わせとか考えるだけで大変そうですけど、どうにか頑張ってよく映画を作ってくれましたねぇ、、
そして、私が今作を「良い」と思った最大の要因は、エンドロールに入る直前のあのシーンです。
ぶーでーなお母さんをリアカーで一生懸命引こうとして、爆笑を誘った演出で終わるのかなぁと思いきや、、、、
最後の最後に、映画でしか出来ない驚きの名シーンが!泣かざるを得ない名シーンがあるんですよ!!!!!!
どうやって説明したらいいんでしょうか? いや、説明できないです。劇場で確認してください!!!
[万引き家族と非常に近い]
万引き家族がパルムドールを受賞して、日本の映画館でも絶賛公開中ですね。
くしくも、今作も万引き家族とほぼ同じタイミングで公開されました。
抑揚的で映画的な演出である万引き家族とは正反対に思えるけども、今作は万引き家族と共通してる部分が多かったです。
1970年という時代設定にしては、あまりにもボロすぎる住宅。大阪という大都会の中に、取り残されたかのように佇む在日の方の住宅。これぞ万引き家族が住んでいた家に近いですよね。
あと何より、今作では花火のシーンがよく写るんですよね。万引き家族では見えなかったけど、今作ではよーく見えてるんですよw
それに加えて、今作では飛行機が飛ぶシーンが多いです。ドラゴン家族が住む街は大阪の空港に非常に近いため、飛行機がブンブン飛び交うんですけども。
よくよく考えてみれば、帰りたくても帰れない在日朝鮮人の方の神経を逆なでするように、悠々自適と空を飛んでいく飛行機に、在日の人は怒りを禁じえませんよね。だから飛行機を象徴的に使っていたと思うんですよね。
[ネトウヨの皆さんへ]
ネトウヨの方に是非この映画を見て欲しい。
何故なら、ネトウヨの人ってやたら韓国・北朝鮮の人に噛み付くけど、それはもともと「嫌韓ニュース」に精神が侵食されたと思うんですよね。逆に、韓国人と会話したことない人や関わりがない人がネトウヨになりやすいと思うんですよ。韓国人に関する情報が嫌韓ニュースだと、どうやっても偏った情報しか入ってこないからね。
Yahoo!ニュースでよく嫌韓ニュースが流れていたと思うんですよ。「韓国へ旅行するのは危険」みたいな見出しがあって、蓋を開けたら韓国じゃなくても起きそうな犯罪の羅列があって、見事に韓国人の性格や風習と、犯罪を重ね合わせて書くやり口。昔は嫌韓ニュースがYahoo!ニュースを席巻してたんですよね。
そんな嫌韓ニュースに影響を受けたすぎた人が、「韓国やばい」「韓国行くな」などコメントを書き、「ヤフコメ民」と揶揄されたのがネトウヨの代表例だと思うんですよね。
つまり、何を言いたいかというと、いつも悪者にされがちなネトウヨ民の方も、嫌韓ニュースの被害者だってことです。ネトウヨが悪いなんて言うつもりはありません。
この映画を見て、少しでも韓国人の方に対する見方を変えて欲しいんですよね。
「みんなが盛り上がっているから」「自分の生活が惨めだから」とか、適当な理由で韓国を貶める発言は、本当に恥ずかしいよ。
そういう奴に限って韓国人と話したことなかったり韓国行ったことない人が言うんだよな。
この映画を見て韓国を嫌いになる人は、少なくともいないと思います。
ネトウヨの皆さんからの映画の感想をコメントにてお待ちしております。ただし、必ず映画を見てからのコメントにしてくださいね。ヤフコメ民の人は、コメントに慣れてるでしょ?
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